フロン類は科学的にきわめて安定した性質で扱いやすく、人体への毒性が小さいといった性質を有していることから、これまでエアコンや冷蔵庫などの冷媒用途をはじめ、断熱材等の発泡用途、半導体や精密部品の洗浄剤、エアゾールなど様々な用途に活用されてきました。

しかしフロン類は二酸化炭素の100～10,000倍という強力な温室効果があり、地球温暖化に甚大な影響を及ぼしています。ビル用パッケージエアコン１台に含まれるフロンは約20kg程度ですが、二酸化炭素に換算すると、約50t排出したのと同じだけの温室効果があり、これはレジ袋150万枚を燃やしたり、乗用車で日本を40周した際に排出される量に匹敵します。

このように強力な温室効果作用を持つフロン類は、地球温暖化に甚大な影響を及ぼします。そのため、地球温暖化の防止やオゾン層保護を目的として、フロン類を大量に使用している業務用のエアコンや冷凍冷蔵機器は、「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律（フロン排出抑制法）」により、フロン類の管理が義務づけられています。

2020年4月1日には改正フロン排出抑制法が施行され、業務用のエアコン・冷凍冷蔵機器は、廃棄する際の規制が強化され、違反には行政処分のみならず、刑事罰（５０万円以下の罰金）が科されることとなりました。対象機器を保有している場合は、今後より一層の注意を払って機器の管理を行っていくことが重要ですね。

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