ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)とは,建築計画の工夫による高断熱化や設備の高効率化によって大幅な省エネルギーを実現したうえで,太陽光発電等によってエネルギーを創ることで,快適な室内環境を実現しながら,建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物を指す言葉です。
現在福島県では,県内全ての建物をZEBしようという,壮大な目標を掲げています。
まずは県の所有する建物から順次進められており,2020年3月に完成した須賀川土木事務所では地中熱を活用した潜熱顕熱分離空調設備が導入されており,「Nearly ZEB」認証を東北地方の庁舎として初めて取得しました。
計画では高い省エネ効果が得られる見込みですが,まだ完成して間もないこともあり,効果については今後検証するとのこと。
一方イニシャルコストは,一般的な省エネ型建物と比較して約30%アップと,まだまだZEBは建設コストが高いということが浮き彫りとなりました。
福島県だけでなく,将来日本全国でZEBが普及するうえでの試金石となるであろうこの取り組み。今後の検証結果,展開に注目です。